Sunny.
僕の言葉は単純なものだ 遠い国からの手紙のように                   別に涙がいるわけじゃない  ―― 田村隆一 
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理科教育屋です
週刊サニーです。

書くことは特にありません。
毎日、学校で時間割変更マシーンとして働いています。
俺の超絶テクな時間割変更に、「あんたの頭にはコンピューターでも入ってるのか?」と年配の先生にからかわれています。
この活躍が認められたのか、今年から入試データ処理班に編入を命じられました。これは名誉なこと。

でも俺の本務は理科教師。できたら校務よりはそっちに力を割きたい。

ところで俺が普段から理科教育について疑問を持っていることがいくつかあるので、今日はそれでも書いてみようかと思います。

①生物学における異様なフィールドワーク偏向主義はおかしい。
年配の先生に多いのですが、生物学はフィールドワーク(野外観察)から、と言ってやたらフィールドワークに重点を置く先生がいる。でもそれはどう考えても合理的では無いと思う。
確かに経験知が無ければ生物学は始まらないけれど、そこらへんに生えてる木の名前をしらみつぶしに覚えたり、たかだか茨城県内での雑草や野鳥の分布状況を調べて、そこから何が得られると言うのか。
生徒が振り向いてくれる面白いネタがそうそう転がっているとも思えないし、生徒が一生を通じて役立てることの出来る「市民のための科学」から遠ざかるばかりじゃないのか。日常生活の中で科学的なものの見方が出来ること、という根本的な理科教育の目的を見失っているんじゃないのか。

②物理学における実験の位置付けがいまいち理解できない
「ミスコンセプション」という理科教育用語がある。
科学的に正しいと認められているものと異なった、生徒の持つ原始的な科学概念。例えば「重いものは早く落ちる」みたいなの。
物理学で教えるに当たって困難なのは、生徒が持っている強固なミスコンセプションをいかに正しい科学概念に変えていくかという点であり、そのためには生徒のミスコンセプションに対して思考的矛盾が生じる状況を与えたり、未体験の物理現象に対する体験を与えていったりしなければならない。
しかし物理教育において行われる実験は、生徒がすでに正しい科学概念を持っていることを前提に、測定が行われているものが多いような気がする。言い換えれば、生徒のミスコンセプションを揺るがすようなものでは無い、ということ。
物理の先生の間で、実験に対する意欲に非常な温度差があるのは、このせいではないかと思う。

③化学Ⅰのカリキュラムの順番はおかしい
化学の面白いところはどこかと言えば、世の中には手品か魔法のような性質を示す物質があることを知ることが最初で、それに興味を持った後、それらを統一して説明できる『酸化還元』のような概念を学ぶところにあると思う。
しかし高校のカリキュラムは真逆だ。
まず電子とか原子とか酸化還元とかいった概念を先に説明して、そのあとに個別論に入る順番になっている。これでは前半の概念を理解するための経験が、生徒に圧倒的に欠けているのは明白だ。
こんな順番でやって生徒が化学を面白いと思うわけが無い。例えるなら、恋愛をしたことが無い人に恋愛論を語るようなもんで、絵空事のように右から左に流れていってしまう。
確かに、現行カリキュラムは話としては「まとめやすい」けれど、これを「分かりやすい」と思っている人がいるとすれば、それはその人が「すでに分かっているから」でしか無いと思う。


と、たまには専門の理科教育について熱く語ってみましたが、書き終わったばかりの現時点ですでに猛烈に恥ずかしいです。何書いてんだ、俺。でも真剣に思っています。
【2006/11/19 23:54】 | commentを書く(3) |
<<中居君 | ホーム | 今日はwindy>>
コメント
生物についてですが、フィールドワークというのは、設備や機材も不要で身近にできるという簡易さがあるように思います。
「日常生活の中で科学的なものの見方が出来る」ってことについてですが、最近は環境保護などが騒がれているのでフィールドワークでも十分に得るところがあるように思います。また、フィールドワークで得られたデータを論理的に統計的に分析するという事を行うなら室内で行う実験と同等だと思います。
何より、今、DNAなどの分子生物学的な知識は雑誌やテレビなどから情報を得る機会は多いですが、身近な生き物を実際に見る機会の方が少なくなっているのではないでしょうか?もっとも、それに興味を持たせられるかどうかが問われるかと思いますが.....
高校の時、生物の先生に「生物を勉強してるのに、生き物の事をまったく知らない人が多い」と言われたことがありました。生物学なんですから、やっぱり生き物を身近に感じるところが第一歩じゃないでしょうか?
【2006/11/20 22:15】 URL | はやし #-[ 編集]
すいませんスレ違い(?)かもしんないけど。

高校の化学の授業で、
今でも記憶に残っている回があるな。

先生が「人類が最初に手にした金属は何か?」と問う。

おいおい、歴史じゃなくて化学の教師だろアンタは、と。
指名された生徒は(まぁ俺なわけだが)「銅?」と答える。

先生曰く
「違う。最初に金。それから銅、鉄、アルミという順」
「これがイオン化傾向」
「イオン化傾向が弱いほど単体で自然界に存在する確率が高い」
「文明の進歩に従って、イオン化傾向が強い元素も
 単体で利用できるようになってきたということ」

目から鱗がものすごい勢いで落ちたんで、よく覚えてる。
いっけん科学に見えない事象を科学でスパッと説明されると
科学のすごさが際立って印象に残るよ。
【2006/11/20 22:51】 URL | なかがわ #-[ 編集]
>はやし
君の言っている事はほとんど全面的に正しい!
生きものを見せることはどうしても必要だよね。
批判したいのは、異様な偏向主義。
どんなのかといえば、たまたま今日、縁あって、某W本庄高校で作られた「本庄の森の植物」みたいな、学校周辺の森の植物を一種一種記載したフルカラー冊子をもらったのだけれど、ここまでするくらいだったら、同じ労力と金でもっと別のことができたんじゃないかと思ってしまう。

>なかがわ
その先生、鋭い! さっそくパクろうw
やっぱり科学は生徒に驚きと新鮮さを与えるものでないといけないよな。
【2006/11/20 23:41】 URL | まさむ #-[ 編集]
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